「中国語を勉強したいけれど、何から始めればいいかわからない」。教材もアプリも選択肢が多すぎて、最初の一歩で迷ってしまう人は少なくありません。
結論、中国語は「発音→単語→文法」の順番で勉強するのが最短ルートです。この順番を守るだけで、その後の伸び方が大きく変わります。
この記事では、初心者がゼロから始める中国語の勉強法5ステップと独学の進め方、挫折しないためのコツ、レベル別の勉強時間の目安までを順番に解説します。
中国語の勉強は何から始める?結論は「発音」から
中国語の勉強で最初に取り組むべきは発音です。中国語をゼロから始める場合の学ぶ順番は、次の3段階になります。

- 第1段階:発音(ピンインと声調)
- 第2段階:単語(音とセットで暗記)
- 第3段階:文法(例文ごと習得)
中国語の発音はピンインというローマ字表記で学びます。ピンインが読めるようになると、単語帳も文法書もすべて音声つきで独学できるため、以降の学習効率が一気に上がります。
逆にやりがちなのが、漢字の意味がわかるからと単語や文法から入るパターン。読めるのに聞けない・話せない状態になりやすく、あとから発音だけやり直すことになります。
発音より先に単語学習を進めると、目では読めても耳が音を知らない「文字だけの単語」が増えていく一方です。リスニングの段階で全部を音から覚え直す二度手間を避けるためにも、順番は発音が先です。
中国語の勉強で最初に発音を固めるべき3つの理由
学ぶ順番の先頭に発音を置く理由は3つあります。どれも「あとから取り返すのが大変」という点で共通しています。
すべての学習が「音」の上に積み上がるから
単語もリスニングも会話も、すべて「音」の上に積み上がります。ピンインと声調があいまいなままだと、覚えた単語が聞き取れず、話しても通じません。
先に音の土台を作っておけば、その後の単語・文法・リスニングは同じ土台の上でスムーズに進みます。
一度ついた発音の癖は後から直しにくいから
発音専門の教材が「よくある誤りの音声を聞き比べて直す」矯正ページを設けているほど、一度ついた自己流の癖を直すのは手間がかかります。癖がつく前に正しい口の形で覚えるほうが、結果的に早く上達します。
声調が違うと別の単語になるから
中国語には4つの声調(四声)があり、同じ「ma」でも声調が違えば別の単語になります。高く平らに言うか、上から下へ落として言うかだけで、伝わる言葉そのものが変わる仕組みです。
声調を後回しにして単語を増やすと、通じない単語を大量に覚え直す羽目になるわけです。
初心者向け:ゼロから始める中国語勉強法5ステップ

ここからは、初心者がゼロから独学で進めるための具体的な勉強方法を5つのステップに分けて解説します。
ステップ1:ピンインと声調を最初の1ヶ月で固める

最初の1ヶ月は発音を徹底的に学習します。やることは次の3つです。
- 母音・子音を口の形から練習
- 四声と軽声を単音で練習
- 録音して手本と聞き比べ
教材は、口の形の写真や口の中の断面図つきで「舌の位置」から教えてくれる発音書を1冊選びましょう。発音は感覚まかせではなく、口と舌の位置という「手順」で身につけていくものです。
声調は高低の動きでつかみます。イメージは「第1声=高く平ら」「第2声=一気に上げる」「第3声=低く抑える」「第4声=上から下へ落とす」の4パターン。ここに軽く短く添える軽声を加えた5つを単音で言い分けるのが、最初の目標です。
また、日本人がつまずきやすいのは、息の強さで区別する有気音・無気音、語末の「-n」と「-ng」、舌を反らせるそり舌音の3つ。聞き分け音源のある教材なら、この難所を耳と口の両方から練習できます。
ただし、この難所は「自分の発音が合っているか」を独学では判定しにくく、変な癖が一度つくと後から直すのがいちばん難しいのが発音です。だからこそ、癖がつく前の最初期にプロの耳を入れる価値があります。
CHILIT(チリット)の中国語コーチングは、日本人コーチの伴走×ネイティブ講師の添削の2人体制で発音の立ち上げを徹底サポート。毎日提出する音声をネイティブ講師が舌の位置や息の出し方まで確認するので、癖はその日のうちに直せます。
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ステップ2:基礎単語を発音とセットで覚える

基礎単語は「音声を聞く→声に出してまねる→漢字を見て意味とピンインを言う」の反復で、発音とセットで覚えます。日本人は漢字が書ける分だけ書き取りは後回しにして、音を優先するのが遠回りに見えて確実な勉強の仕方です。
というのも、中国語の単語は「漢字+ピンイン+声調」の3点セット。声調まで含めて1つの単語として覚えないと、読めるのに通じない単語が増えていきます。
語彙数はHSKの基準を階段にすると設計しやすく、まず150語(1級相当)、次に300語(2級相当)、600語(3級相当)と積み上げていきます。
暗記は「忘れて当然」の前提で、1周で覚え切ろうとせず同じ単語帳を何周も回します。1回の完璧より出会う回数を増やすほうが、結果として多く残ります。
覚える順番は、教科書どおりでなく自己紹介・仕事・食事など自分の生活に近い語からで問題ありません。使う場面が想像できる単語は、それだけ記憶にも残りやすくなります。
ステップ3:基礎文法を例文ごと身につける

基礎文法は、規則の丸暗記ではなく例文を音読して型ごと覚えるのが近道です。型が体に入った例文は、単語を入れ替えるだけでそのまま応用が利きます。
その前提として、中国語の文法には初心者にうれしい性質があります。
- 動詞の活用がない
- 時制で形が変わらない
- 日本語のような敬語体系がない
その代わり、語順が意味を決める言語です。だからこそ「型=語順」を例文ごと体に入れる覚え方が、いちばん効率よく働きます。
また、中国語の文は大きく「名詞文・形容詞文・動詞文」の3タイプに整理できます。最初に全体像をつかんでから細部に進むと、いま何を学んでいるのか迷子になりません。
進め方の一例は、例文を10回音読してから、日本語訳だけを見て中国語に戻せるかテストする方法です。戻せなかった例文に印を付けて翌日再挑戦する、この繰り返しで型が体に入ります。
ステップ4:リスニングで耳を作る

リスニングは、スクリプト(本文)つきの音源で「精聴」から始めます。1文ずつ止めて、聞こえなかった箇所をスクリプトで確認してからもう一度聞く流れです。この往復で耳が育ちます。
いきなり中国ドラマや映画に挑戦すると、速度と未知語の多さで挫折しがちです。まずはスロー音声つきの教材で確実に聞き取れる範囲を広げ、ドラマは「ご褒美リスニング」として楽しむ位置づけにしましょう。
素材選びの目安は「8割ほど聞き取れるレベル」です。半分も聞き取れない素材は耳の練習になる前に心が折れるので、易しすぎるくらいから始めて構いません。
レベルアップの道筋は、教材音源→学習者向けの聞き取り素材→ドラマや動画の順が無理のない設計です。
なお、知らない単語は何回聞いても聞き取れません。リスニングが伸び悩んだら、原因はたいてい語彙不足なので、ステップ2に戻って単語を補強します。
ステップ5:声に出すアウトプットで定着させる

仕上げは口を動かす練習です。次の3つを日課に組み込みます。
- テキストの音読
- シャドーイング
- 中国語での独り言
シャドーイングは、音源を聞きながら影のように少し遅れて発音をまねる練習法です。発音・リズム・リスニングを同時に鍛えられます。
独り言は、「今から昼ごはん」「疲れた」のような一言を中国語に置き換えるだけで成立します。机がなくてもできる、社会人向きのアウトプットです。
アウトプットで伸ばすコツは、間違いを恐れず声の量を確保することです。黙読の10分より、音読の5分のほうが会話力に響きます。
自分の声を録音して手本と聞き比べる自己チェックも、発音学習の定番手順です。聞く・読むだけで終わらせず、口を動かした量がそのまま会話力になります。週1回でもオンライン会話などで実際に話す機会を作ると、定着はさらに速くなります。
独学で中国語を勉強する3つの方法
独学の勉強方法は、大きくアプリ・本・無料サイトの3つに分かれます。どれか1つに絞る必要はなく、生活の場面ごとに使い分けるのが独学を長続きさせる鍵です。
アプリで学ぶ:スキマ時間の反復に強い
学習アプリの強みは次の3点です。
- スキマ時間で反復しやすい
- ゲーム感覚で続けやすい
- 音声つきで手軽
単語やフレーズの反復練習とは相性抜群で、通勤中の5分でも学習を前に進められます。連続記録の仕組みがあるアプリなら、習慣化の装置としても優秀です。
具体的には、中国語特化型の定番HelloChineseが、発音の音声判定つきでゼロからの独学向き。ゲーム感覚の続けやすさを重視するなら、日本語話者向けの中国語コースがあるDuolingoも定番です。
一方で、発音の細かい矯正や文法の体系的な理解はアプリだけでは不足しがちです。アプリは「中国語に毎日触れる装置」と割り切り、本と併用するのが現実的な使い方になります。
また、アプリの正解表示だけで発音ができたつもりになるのは落とし穴です。音声認識の判定は目安と考え、ときどき自分の声を録音して手本と聞き比べましょう。
中国語コーチングスクールCHILIT(チリット)ならLINEでの毎日の音声添削で、機械の音声認識では拾いきれない声調の微妙なズレを、ネイティブ講師が人の耳で確認してくれます。
アプリで反復量を確保しつつ、発音の精度チェックだけプロに任せる併用もおすすめです。
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本・テキストで学ぶ:体系立てて迷わず進める
本・テキストの強みは次の3点です。
- 体系立てて迷わない
- 解説が深い
- 検定対策に直結
書籍は専門家が学ぶ順番まで設計してくれているため、独学の弱点である「何をどの順でやるか」を丸ごと任せられます。最初にそろえるのは中国語の発音の本1冊+文法の入門書1冊の2冊で十分です。
定番どころでは、発音は口の形の写真と図解で学べる『紹文周の中国語発音完全マスター』(アスク出版)、文法は発音の章から始まる入門書『新ゼロからスタート中国語 文法編』(Jリサーチ出版)が長く選ばれています。
選ぶ際の条件は次の3つです。
- 音声ダウンロードつき
- 全文にピンイン表記あり
- 図解と解説がていねい
数ページ試し読みして、説明が腑に落ちるものなら大きく外しません。そして、あれこれ買い足すより1冊をやり切るほうが力になります。
無料サイト・動画で学ぶ:費用ゼロで始められる
無料サイト・動画の強みは次の3点です。
- 費用ゼロで始められる
- ネイティブの生きた発音に触れられる
- 口の形を目で確認できる
無料の定番は、放送講座として体系立っているNHKラジオ「まいにち中国語」と、会員登録なしで発音から文法まで学べる大学公式教材の東外大言語モジュールの2つです。
特に発音の解説動画は、口の動きを映像で確認できるため、本の写真よりイメージをつかみやすい場面もあります。中国語のニュースサイトや動画は、中級以降の生教材としても使えて便利です。
学習初期は「本で学んだ音を、動画で口の動きから確かめる」という補完の使い方がハマります。無料で始めて、続きそうだと確信してから本を買う順番なら、初期費用ゼロで試せるのも魅力です。
ただし無料コンテンツは断片的になりやすく、学ぶ順番の設計は自分持ちになります。メイン教材を軸に、補助として活用するのが賢い位置づけです。
社会人が仕事と両立して勉強を続ける3つのコツ
社会人の中国語学習は、時間の確保が最大の課題です。意志の力ではなく、仕組みで解決しましょう。
スキマ時間は「音」の学習に充てる
通勤・家事・移動などのスキマ時間は、リスニングと音声の反復に充てるのが社会人の基本戦略です。手はふさがっていても、耳は空いています。
机に向かえる貴重な時間は、文法の理解や新しい単語のインプットに温存します。「耳で復習、机で新規」と学習内容を時間帯で役割分担すると、同じ忙しさでも学習量が底上げされます。
たとえば1日の設計は次のような形です。
- 朝の通勤:リスニング15分
- 昼休み:単語アプリ5分
- 夜:机で文法と音読20分
合計40分でも、耳・単語・理解のバランスが取れた1日になります。
勉強ノートは書き写しでなく間違いの記録に使う
テキストをきれいに書き写すノート作りは、達成感の割に力がつきません。時間の限られた社会人こそ、ノートの役割を「間違いの記録」に絞りましょう。
- 間違えた発音・声調
- 迷った文法・語順
- 覚えられない単語
この3つだけを書き溜めると、ノートが自分専用の弱点帳になります。復習は弱点帳を見返すだけなので、数分あれば一周できます。
週単位の学習量で管理して完璧主義をやめる
「毎日1時間」と決めると、できなかった日に挫折感が生まれ、そこから連鎖的にやめてしまいがちです。管理の単位を1日から1週間に変えましょう。
たとえば週5時間が目標なら、平日30分×5日+週末に2.5時間でも達成です。残業で飛んだ日があっても、週内で帳尻を合わせればOKという設計にしておきます。
サボった日を責めるより、翌日に5分でも再開できたことを評価しましょう。完璧主義を手放すことが、結局いちばんの継続テクニックです。
続けてさえいれば、ペースが遅くても中国語は前に進みます。比べる相手は他人ではなく、先週の自分だけで十分です。
中国語の勉強で挫折しやすい3つのポイント
中国語学習には、挫折の定番パターンがあります。3つとも原因がはっきりしているつまずきなので、先に知っておけば対策も立てられます。
発音・声調で心が折れる
中国語学習の最初の関門は、やはり発音と声調です。「通じない」「聞き取れない」「自分の発音が合っているかわからない」という三重苦で、開始1〜2ヶ月でやめてしまう人が目立ちます。
対処のポイントは、期間を区切ることです。「まず1ヶ月は発音だけ」と決めれば、いま会話ができなくても焦らずに済みます。
うまく出せない音は、根性の反復ではなく口の形と舌の位置まで戻って直しましょう。
そして、ネイティブのような完璧な発音をいきなり目指さないこと。「通じる発音」を合格ラインにして先へ進み、後から精度を上げれば十分です。
救いになるのは、発音が「終わりのある壁」だという事実です。基礎の音の種類は限られているので、集中して取り組めば1〜2ヶ月で峠を越えられます。
成長実感がなくモチベーションが続かない
3ヶ月〜半年ほど続けると、「やっているのに伸びている気がしない」という停滞感がやってきます。語学で誰もが通る道です。
対処は、伸びを見える化することです。
- HSKなど検定を申し込む
- 開始時の音読を録音して残す
- 学習時間を記録する
検定は外部の物差しとして客観的にレベルを示してくれます。開始時の録音は、聞き返すと自分の進歩がはっきりわかる強力なモチベーション源です。
学習記録は、続いた日数が一目で見える形にしておきましょう。積み上がった記録そのものが、やめにくくする仕掛けとして働いてくれます。
学習の設計を自分で組めず迷子になる
独学で迷子になる典型パターンは次の3つです。
- 教材を次々に買い替える
- 学ぶ順番がわからなくなる
- 発音の正誤を判定できない
この「迷子状態」は、独学の構造的な弱点から生まれます。
独学は費用を抑えられる一方、学習計画の設計・毎日続ける仕組み・発音の正誤判定の3つを全部自分で担うことになります。ここでつまずく人のための選択肢が、設計と伴走をプロに任せる中国語コーチングです。スクールごとの違いは中国語コーチングの比較記事で詳しく解説しています。

CHILIT(チリット)は、完全オンラインの中国語コーチングです。毎日の音声添削と学習報告、チャットでの伴走によって「正しい順番で、毎日続く」状態を仕組みで作ります。無料体験が3日間あるので、実際の添削を受けてから判断できます。
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中国語の習得に必要な勉強時間の目安
ゼロから簡単な日常会話レベルまでは、毎日30分〜1時間の学習で1年前後が現実的な目安です。根拠となる公的機関のデータと検定の基準から、ゴールまでの距離を確認しましょう。
米国務省の外交官養成機関FSI(Foreign Service Institute)は、英語話者が中国語(標準語)を職務レベルで使えるようになるまでの期間を88週間・2,200授業時間と公表しています(出典:米国務省 Foreign Language Training)。中国語はアラビア語や日本語と並ぶ、英語話者にとって最難関カテゴリーの言語です。
2,200時間を1日の学習時間で単純に割ると、次のようになります。
- 1日1時間:約6年
- 1日2時間:約3年
- 1日3時間:約2年
ただしこれは英語話者の基準です。日本人は漢字の意味をすでに知っているため、読解や単語暗記の負担が比較的軽く、この数字より短縮できる余地があります。
目標設定の物差しには、中国語検定のHSKが使えます。各級のレベルは次のとおりです(出典:HSK日本実施委員会「各級の紹介」)。
| 級 | 語彙量の目安 | レベルの目安(公式) |
|---|---|---|
| 1級 | 150語程度 | ごく簡単な単語とフレーズを理解できる |
| 2級 | 300語程度 | 簡単な日常会話ができる(大学の第二外国語1年目程度) |
| 3級 | 600語程度 | 生活・学習・仕事で基本的なコミュニケーションができる |
| 4級 | 1,200語程度 | 幅広い話題で比較的流暢に会話できる |
| 5級 | 2,500語程度 | 新聞・雑誌を読み、まとまったスピーチができる |
| 6級 | 5,000語以上 | 情報をスムーズに理解し、見解を流暢に表現できる |
HSK2級が「大学の第二外国語における第一年度履修程度」という公式の目安なので、毎日30分〜1時間の学習なら、1年前後でHSK2〜3級(簡単な日常会話の入り口)が現実的なラインです。
いまの実力がわからない人は、HSK公式サイトのレベルチェックテストで現在地を測ってから計画を立てるとスムーズです。
中国語は簡体字と繁体字はどっちを勉強する?
簡体字と繁体字のどちらを学ぶかは「どこで使いたいか」で決まり、中国大陸とのビジネスや仕事が目的なら簡体字、台湾が目的なら繁体字を選びます。迷ったら、教材と学習者が多い簡体字から始めるのがおすすめです。
| 項目 | 簡体字 | 繁体字 |
|---|---|---|
| 主な使用地域 | 中国大陸・シンガポール | 台湾・香港など |
| 字体 | 画数を減らした新しい字体 | 伝統的な字体 |
| 日本の漢字との関係 | 大きく略された字もある | 旧字体に近い字が多い |
なお、台湾で話される中国語は「台湾華語」と呼ばれ、発音や語彙に細かな違いがあります。ただし言語としての骨組みは共通なので、簡体字で基礎を作ってから台湾華語に乗り換えることも可能です。
日本の漢字は簡体字と繁体字の中間的な字形も多く、日本人はどちらを選んでも見覚えのある字からスタートできます。
中国語の学習ではHSK・中国語検定を目標に設定する
目標があいまいなままだと、勉強は続きにくいものです。検定を物差しにすると、学習範囲と期限が決まり、設計が一気に楽になります。
HSKと中検のどちらを受けるか決める
海外で通用する証明が欲しければHSK、日本語と中国語の往復力を鍛えたければ中検を選びます。中国語の主要な検定はこの2つです。
HSKは中国政府公認の世界基準の検定で、リスニング・読解・作文の3パートから成り、問題文はすべて中国語です(1級・2級に作文はありません)。留学や海外就職など、国際基準で力を証明したい人に向いています(出典:HSK日本実施委員会「HSKとは」・「各級の紹介」)。
一方、中検は日本中国語検定協会が実施する国内検定で、全級で中国語と日本語の間の翻訳が出題されます。日本語話者としての翻訳力・運用力を測る色が濃い試験です(出典:日本中国語検定協会「認定基準・出題内容」)。
学ぶ内容は大きく重なるので、迷ったらまずどちらか1つに絞って始めれば問題ありません。
なお、両検定ともリスニングが独立したパートとして課されます。「発音から始める」学習順は、そのまま検定対策としても機能する設計です。
最初の目標はHSK3級・中検4級が目安
ゼロから始める人の最初の目標は、HSK3級または中検4級がちょうどいい高さです。
HSK3級は語彙600語程度で、公式の目安は「生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できる」レベル。中検4級は常用語約1,000語で「中国語の基礎をマスター」、大学の第二外国語で1年以上学んだ程度とされています。
つまりどちらも「基礎が完成した」ことの証明であり、初心者でも現実的に狙える射程です。先に試験日を決めて申し込んでしまうと、締め切り効果で日々の学習に張りが出ます。
申し込んだら、過去問やレベル別の単語リストで出題範囲を先に眺めておきましょう。ゴールから逆算して教材を選べるようになり、学習の寄り道が減ります。
中国語を勉強する4つのメリット
学習を始める前に、中国語で得られるものを確認しておきましょう。モチベーションの土台になります。
世界的に話者の規模が大きい
中国語は国連の6つの公用語の一つに数えられる言語です(出典:国際連合 Official Languages)。中国はもちろん、台湾・シンガポールをはじめ世界中の中華圏コミュニティで使われており、話者の規模は英語と並ぶ存在感があります。
学んだ言葉が通じる相手の多さは、そのまま学習リターンの大きさです。
仕事・キャリアの武器になる
ビジネス面では、中国語圏との取引や訪日対応など、日本での需要が根強い言語です。「英語+中国語」の組み合わせは、キャリアの差別化として機能します。
英語と比べて話せる人が少ないぶん、「中国語ができる」こと自体が目に留まりやすいスキルといえます。
漢字の知識をいかせる
日本人には、漢字を知っているという大きなアドバンテージがあります。初めて見る単語でも意味を推測できるため、読解では最初から有利です。
発音の難しさばかりが注目されがちですが、日本人にとって中国語は「漢字が読める状態から始められる」数少ない外国語といえるでしょう。動詞の活用がない文法も、学び始めのハードルを下げてくれる要素です。
旅行・エンタメの楽しみが広がる
台湾旅行や中国ドラマを字幕なしで楽しむ、という身近な目標から始めるのも立派な動機です。
現地の屋台で注文が通じた、ドラマのセリフが一言聞き取れた——そんな小さな成功体験は、学習を続ける燃料にもなります。
中国語の勉強に関するよくある質問
最後に、中国語の勉強を始める前によくある疑問に答えます。
中国語は何ヶ月で話せるようになりますか?
「話せる」のレベルによります。挨拶と自己紹介なら1〜3ヶ月、簡単な日常会話(HSK2〜3級の内容)なら、毎日30分〜1時間の学習で半年〜1年程度が一つの目安です。
HSK2級が「大学の第二外国語における第一年度履修程度」という公式の目安が、逆算の基準になります。仕事で使えるレベルは年単位の取り組みと考えておきましょう。
期間の目安はペース設計の道具として使い、他人の習得スピードと比べすぎないことも、続けるうえでは案外効いてきます。
独学だけで話せるようになりますか?
読解・リスニング・検定合格までは、独学でも十分到達できます。実際、独学でHSK上位級に受かる人もいます。
ただし会話については、「発音が正しいかの判定」と「話す相手」を独学では用意しにくいのが実情です。オンライン会話や発音添削のサービスをピンポイントで組み合わせると、独学の弱点を低コストで補えます。
「全部独学」か「全部スクール」かの二択ではなく、弱点だけ外注する発想を持つと選択肢が広がります。
中国語の勉強に才能やセンスは必要ですか?
才能よりも、順番と継続です。発音ですら、口の形と舌の位置という「手順」で身につけられるよう教材が設計されています。
センスに見えるものの正体は、正しい順番で毎日続けた蓄積です。つまずいたときは才能を疑う前に、口の形と学ぶ順番に立ち返ってみてください。この記事の5ステップの通りに進めば、特別な才能がなくても着実に前へ進めます。
発音が難しくて続けられるか不安です
中国語の発音が日本人にとって難所なのは事実です。ただ、最初の1〜2ヶ月で基礎を固めれば、以降の学習全体が楽になる「先行投資型」の難しさでもあります。
録音して手本と聞き比べる自己チェックを習慣にすれば、独学でも修正は可能です。それでも不安が残る人は、毎日発音を添削してもらえる環境を借りるという方法もあります。
まとめ:正しい順番で始めれば中国語は着実に伸ばせる
中国語の勉強は「発音→単語→文法」の順番が最短ルートです。最初の1ヶ月をピンインと声調に投資し、単語は声調とセットで、文法は例文ごと覚えていきましょう。
勉強時間は、長時間より毎日。週単位の管理でゼロの日を作らない仕組みが、社会人の強い味方になります。目標は、学習範囲と期限が定まるHSK3級・中検4級が目安です。迷ったときは5ステップのどこにいるかを確かめると、次にやることが見えてきます。
中国語は、正しい順番と続く仕組みさえあれば着実に伸ばせる言語です。まずは今日、発音の教材を1冊選ぶところから始めてみてください。
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